研究課題
RFパワー用のバイポーラ接合トランジスタ(BJT)の高性能化(高速・低消費電力化)を実現するための手法として、デバイスの活性層に歪みを印加する手法が有効となる。本研究では、高性能BJTを実現するための歪み制御を効率良く実現するために、局所歪みを高精度で評価する手法として、マイクロ・フォトルミネッセンス(μ-PL)を開発することを目的としている。H21年度の成果は以下の通りである。(1) 評価用の試料面積は最小で5×5μm^2であるため、励起光は5μm以下のスポットに絞る必要がある。また、短波長の紫外光励起光源(波長:325nm)と長波長の赤外光(PL発光)の両方が透過するレンズを用いる必要がある。更に、励起光に対しては高い反射率を、PL光に対しては高い透過率を持つフィルターを用いる必要がある。これらを満足する光学系を設計し、既存のPL装置を改造し、局所領域の表層ひずみを評価できる測定システムを構築した。(2) 自立Siメンブレン構造(Si-On-Nothing構造)形成後にSiN膜を成膜した模擬試料を試作し、Siメンブレンに印加される歪みを上記のμ-PLを用いて評価した。その結果、200nm-SiN/200nm-Si膜では0.8%のひずみが導入できることを示した。また、ストレス起因で誘起される欠陥の検出も可能となった。更に、深さ方向に対して均一歪みあるいは不均一ひずみかの評価手法として、PL信号強度とSi膜厚依存性から判断する方法を示した。これらの手法は、厚いSi膜に対する歪み評価に有効なツールを提供できる。
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Thin Solid Films vol.518
ページ: 2470-2473
Journal of Applied Physics Vol.107, No.3
ページ: 033511-1-5
http://astec.kyushu-u.ac.jp/nakasima/naka_home.htm