次世代Si系太陽電池用材料としては、Si材料の削減による低コスト化を進めつつ、変換効率の更なる向上を実現することが求められている。そこで本研究では、Si材料の削減に有効であり、且つ、バルクSi系太陽電池の変換効率を向上できるという理由から、次世代の太陽電池材料として有望なSiナノ結晶およびSiナノワイヤの両材料を機能的に複合化し、Si材料の削減による低コスト化および変換効率の向上を両立した、これまでに無い新しい次世代シリコン太陽電池実用における基礎・基盤技術を確立することを目的に実験を行った。 初年度は、機能性複合膜形成に必要なSiナノ結晶とSiナノワイヤそれぞれの成長制御につての実験を重点的に行った。前者のSiナノ結晶を関しては、スパッタ法により大量合成することができた。一方、後者のSiナノワイヤに関しては、CVD法によりSi基板上に垂直配向する技術を確立することができた。Siナノワイヤの成長は金属触媒を利用したVLS成長を利用している。 Siナノワイヤ単体でも太陽電池として機能する材料を開発するために、成長軸方向にテーパー構造を有するSiナノワイヤの成長を行った。この構造では、太陽光の入射方向からバンドギャップを徐々に小さくすることができ、高効率化が期待できる。実際に成長制御を行った結果、成長軸方向にテーパー構造を有するコーン状のSiナノワイヤの成長を実現できた。
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