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2010 年度 実績報告書

紫外光照射下における蛍光体酸化物薄膜の室温結晶成長

研究課題

研究課題/領域番号 21760018
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

中島 智彦  独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 研究員 (50435749)

キーワード蛍光体 / 酸化物薄膜 / 室温結晶成長 / 光照射プロセス / MOD法 / 光MOD法
研究概要

蛍光体AVO_3(A:K,Rb,Cs)及びZn_3V_2O_8についてエキシマランプを用いた塗布光照射法によって室温大気中にて結晶化させうることが明らかになり、22年度は、様々な材料への室温製膜展開を検討した。種々の酸化物について検討した結果Zn_3V_2O_8のバルク体結晶化温度(750度程度)を超える材料についてはこれまでのところエキシマランプのみでは結晶化させることが困難であった。そこで21年度までの研究により明らかになったエキシマランプ・レーザー照射による結晶化メカニズムを検討した結果、室温結晶化を促進するためには前駆体膜中に結晶成長核を予め導入することによって結晶成長速度を劇的に向上させることが不可欠であるという結論に至った。そこで蛍光体の母物質となる半導体酸化物材料について次の実験を行った。(1)塗布光照射法によって簡便に作製可能な配向膜を作製し、その上部に形成した種々の酸化物前駆体に室温でレーザー照射を行う。(2)前駆体膜中に当該酸化物のナノ粒子を導入しエキシマレーザーを室温で照射する。その結果、いずれの場合においても室温で結晶化が促進され、前駆体に結晶核を導入しない場合と比べて極めて速やかに結晶化が進むことが明らかになった。例えばバルク結晶化温度1300度程度のペロブスカイト型酸化物においても良好な結果が得られている。以上のように、本研究課題に関する一連の結果により、エキシマランプ、レーザーを用いて極めて多くの材料について室温で結晶化を促進し、良質な結晶化膜を作製可能であることを明らかにした。得られた結果を用いて、現在フレキシブルディスプレイ材料の開発を検討している。本研究課題で取り組んだ長期安定性の高い無機蛍光体材料の室温成膜手法は次世代ディスプレイ材料の開発推進のキープロセスの一つになることが期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Facile On-Demand Oriented Growth of Perovskite Oxide Thin Films : Applications of Dion-Jacobson Phase as Seed Layer2011

    • 著者名/発表者名
      中島智彦、土屋哲男、熊谷俊弥
    • 雑誌名

      CrystEngComm

      巻: 13 ページ: 158-166

    • 査読あり
  • [学会発表] スマートルミネッセンス2011

    • 著者名/発表者名
      中島智彦、土屋哲男、熊谷俊弥
    • 学会等名
      国際ナノテクノロジー展2011
    • 発表場所
      東京ビッグサイト
    • 年月日
      20110216-20110218
  • [産業財産権] 配向ペロブスカイト酸化物薄膜2010

    • 発明者名
      中島智彦、土屋哲男、真部高明
    • 権利者名
      (独)産業技術総合研究所
    • 産業財産権番号
      特願2010-274161
    • 出願年月日
      2010-12-09

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公開日: 2012-07-19  

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