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2011 年度 実績報告書

捻り振り子をプローブとしたパラジウム合金ナノ薄膜中に特有な水素原子拡散機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21760025
研究機関東京工業大学

研究代表者

青木 悠樹  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (60514271)

キーワードパラジウム / 水素 / 昇温脱離
研究概要

Pdにおける水素吸着脱離過程の解明は水素吸蔵、あるいは水素精製という観点から重要な問題である。水素の吸蔵・脱離過程を原子レベルで見た時、明らかでない過程が存在する。過去に行われた昇温脱離測定から、200K程度の低温において非常にシャープなαシグナルと呼ばれる水素脱離シグナルが観測されることが分かっている。αシグナルに対応する水素吸着サイトは表面極近傍(表面から約30ML(原子層))にのみ存在するとされているが、明らかでない。そこで本研究ではPd超薄膜の作成を行い、Pd超薄膜の膜厚制御を行う事で、αシグナルの深さ依存性を測定した。Pd超薄膜はSi(111)ウエハーにエピタキシャル成長させたAg(111)膜上に成長させた。Pdは室温ではAg(111)上に[111]エピタキシャル成長を行い、Pd膜厚80ML以上では、下地のAgによる格子歪みが完全に緩和されている事をRHEED,AFMにより確認を行った。このPd表面に100Kにおいて水素曝露を行い昇温脱離スペルトルの測定から、αシグナルの水素吸蔵量を調べた。Pd膜厚が420MLにおいて、αサイトにおける水素吸蔵量は8ML程度で飽和する事が分かった。また、水素曝露量を固定しαシグナルのPd膜厚依存性を調べた所、最大で500MLまで増加させたが、αシグナルはPd膜厚に伴い線形に増加する事が分かった。このことからαシグナルの吸着サイトは、これまで考えられていた表面極近傍だけではなく、バルク中に2%程度均一に存在する事が明らかになった。αシグナルの水素吸着機構は、熱拡散における吸蔵過程とは大きく異なり、100Kで水素曝露を行っているため、主に量子トンネル効果が支配的となっていると考えられ、量子トンネル特有の浸入経路、吸着サイトが存在する可能性を示唆する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Pd(111)/Ag(111)/Si(111)における水素昇温脱離2012

    • 著者名/発表者名
      青木悠樹、中島翔、平山博之
    • 学会等名
      第59回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      20120315-18
  • [学会発表] Ag(111)/Si(111)表面上にエピタキシャル成長させたPd(111)超薄膜における水素吸着2012

    • 著者名/発表者名
      中島翔、青木悠樹、平山博之
    • 学会等名
      第67回日本物理学会年次大会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2012-03-25

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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