研究概要 |
本研究では,10GHz以上の周波数で動作する超高速光偏向動作に其づくシングルチップ型時空間マッピングデバイスを開発し、これを用いた新しい光制御手法を開柘することを目的としている。従来技術では光信号の時間的特性を時間軸で制御するのに対し、本研究で新た開柘した手法では、空間軸に線形マッピングされた時間軸を、ピンホールやスリットをはじめをした空間光学素子を用いて制御する。この手法においては、レンズによる空間Fourier変換が時間軸と周波数軸との間のFourier変換と等価となることを明らかにし、光波のスペクトル制御を光ビーム形状の操作により実証した。 平成22年度では,主に以下の研究成果を得た. 1.シングルチップ型時空間マッピングデバイスの開発 折り返しマイクロストリップ線路を変調電極としたデバイスを開発した。変調のために相互作用長を最適化することで、線形時空間マッピングを実現するデバイスの開発に成功した。 2.空間フィルタを用いた光周波数コム形状の制御 光信号の時間軸が空間軸にマッピングされる面(マッピング面)にスリットを一つ配することで光周波数コムを発生した。また、マッピング面の前Fourier変換面に置く空間フィルタにより光周波数コムのエンベロープがリアルタイムで制御可能であることを示した。 3.スリットアレイによる16.25GHzパルスの8多重化 マッピング面に8つの空間スリットをアレイ状に配することで、16.25GHz(変調周波数)の基本クロックが8逓倍された(繰り返し周波数130GHz)パルス列の生成に成功した。
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