これまでに室温発光を達成している、Ge量子ドット微小共振器構造をベースに、電流注入型ELデバイス構造の開発を進めた。p-i-n接合を有するマイクロディスク(MD)、フォトニック結晶構造作製プロセスを確立した。EBリソグラフィーの合わせマークとして、熱安定性を考慮してHfO_2膜を採用するなどのプロセス最適化を通して、室温エレクトロルミネッセンスを得ることに成功した。得られた発光ピークはMDの共振モードである、Whispering galleryモードであることが、FDTDシミュレーションにより確認された。得られたQ値は60から100であったが、これはPL構造の発光よりも小さく、改善に向け現在原因を特定中である。また、PLと同様に、発光強度は注入電流に対し非線形的な振る舞いを示し、MD中のキャリア密度増大が要因と考えられる。これらの結果は、高Q値(>2000)、単一モード発光デバイス実現へ向けた大きな前進を示すものと言える。
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