(1)研究代表者はすでに中性子波動を空間的に分割・重ね合わせする素子「ビームスプリッティングエタロン」を開発し、これを利用したJamin型冷中性子干渉計の開発によって中性子干渉計の長波長化・大型化の可能性を示している。ビームスプリッティングエタロンに用いるミラーとして白色中性子を反射できるスーパーミラーを利用することで干渉計を白色中性子に対応させることができる。平成21年度はJ-PARC MLFのビームラインBLO5に干渉計システムを構築し、パルス中性子を用いた実験を開始した。経路が分離していないスピン干渉で明瞭な干渉縞を得ることに成功している。(2)中性子スピンエコーは試料のダイナミクスを測定できる準弾性散乱分光装置である。 その一種である共鳴スピンエコーでは共鳴スピンフリッパーの振動磁場の周波数が高いほど測定の分解能が向上する。これもJ-PARC BLO5での実験を開始した。さらに高周波化に向けて開発を続けている。
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