本研究の目的は、角度計測において一般的に応用されているオートコリメーション法を用いる際に角度検出感度を向上させるためスポットサイズを小さくすると、光スポットの強度分布の最も強い中心部分が分割型PDの不感帯に埋もれてしまう事によるS/N比の低下が起こる従来技術の欠点を解消するため、非分割型光電変換素子を用いることによって微小角度変位量の測定が可能な超高感度高分解能角度センサを提供し、その能力を実証する事である。ビームスプリッタにより分割した一方のビームにより定義される光軸からPD受光面の長さの半分程度のオフセット量を与えてPDを配置する事によって原理上不感帯のサイズが関係なくなるため回折限界まで絞った極小のスポットを用いてもS/Nが低下しない光学系を提案した。なお、分割した他方のビームの強度変化をモニタすることにより光源の強度変化の影響を除去することができる。提案した光学系に基づき角度センサを作製し、性能評価を行った。角度変化を与えるために歪みゲージを内蔵したPZT傾斜ステージを用いた。傾斜角を変化させながら作製した角度センサと歪みゲージからの出力を同時に取得した。評価条件は傾斜角の入力範囲は330秒であり、レーザ強度は382.5μWであった。実験結果より安定した角度変化が得られることを確認し、センサ感度は0.0181%/秒であった。得られた結果をまとめて学会で報告した。
|