研究概要 |
チタン加工の200穴加工(φ0.5板厚4mm貫通)を行った結果,超音波振動加工によって,穴の真直度向上,バリの抑制効果が明確に現れた.しかし,工具摩耗があるにもかかわらず,加工穴径が大きくなる現象が見られた. インコネル,タングステン,タンタルに対するφ0.1およびφ0.3(L/D=10)においては,超音波振動による明確な効果は見られなかった.現時点では,超音波振動に適した加工条件や装置のセッティング(特に,安定な振動状態維持)が見いだせないことが考えられる.タンタルにおいては,超音波振動を重畳しないと加工ができないことがわかった。 ファインセラミックス焼結材に対して,工具径φ0.3,厚さ2mmのダイヤモンド電着工具による貫通加工を実施した.現時点では,超音波振動の効果は見られていない.一方,グリーン材に対するドリル加工においては,超音波振動によって工具摩耗の促進およびそれによる抜け側のクラック発生が確認された. テフロンおよびCFRPへの加工においては,特にCFRP素材については、通常の加工であればドリルの摩耗が明らかであるが、今回のトライにおいてドリル損傷はなく工具の長寿命化も期待できる。 ガラスに対してφ0.2のドリル加工を実施した。チップロードがサブミクロンオーダのために,慣用加工でも流れ型の切り屑が発生する。しかし,超音波振動が被削材内部のクラックや穴入口・出口の欠けを誘発することがわかった。今後は,工具を冷却しながらの加工が必要である。
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