研究概要 |
水における平板上乱流境界層流れに、壁面から界面活性剤水溶液を注入することにより、非一様な濃度場を生成し、注入速度、注入時間、及び注入角度を変化させることにより、紐状ミセルのネットワーク構造の乱流境界層内における存在位置を制御し、抵抗低減(DR)効果との関係を解明することを本研究の目的としている。本研究目的を達成するため、平成21年度においては,以下の手順で研究を推進した。 手順1) テストプレート及び溶液注入システムを構築 手順2) トラバースシステムを構築 手順1)として、界面活性剤水溶液の注入用スロットを有するテストプレート(アクリル製)及び溶液注入システム(ステンレス製)を構築した。溶液の注入速度と注入時間は、ステッピングモータの回転速度をPCで制御することにより変化させることが出来るようにした。注入スロットはテストプレートから取替え可能な機構とした。 手順2)として、既存のテスト流路の側面方向ならびに鉛直方向の直交する2方向からの撮影が可能となるように、高解像度デジタルビデオカメラを電動アクチュエータ機能付きのトラバース装置に設置した。それらをPC制御することによって、下流に同時に移動させることが出来る機構にした。 以上により、乱流境界層に注入した界面活性剤水溶液の拡散の様子を撮影することが出来るようになった。平成22年度は、界面活性剤の濃度分布の測定を行い、抵抗低減率と速度場との関係を明らかにする予定である。
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