• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

ナノ界面のイオン流動に関する理論モデル

研究課題

研究課題/領域番号 21760131
研究機関大阪大学

研究代表者

土井 謙太郎  大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (20378798)

キーワード原子・分子物理 / 燃料電池 / イオン流動 / モデル化 / 表面・界面物理
研究概要

本研究では積層構造を介したイオン流動に着目し、(1)プロトン伝導に関する理論モデルの構築、(2)燃料電池の組み立ておよび電流電圧特性の実測、および(3)理論モデルの数値解析を行うことを目標として研究を行った。プロトン伝導に関する理論モデルに関して、界面のポテンシャル障壁を介して隣接する二層を移動するプロトン輸送をモデル化した。そこでは、運動量を持つプロトンはMaxwell分布に従うとし、ポテンシャル障壁を越えるだけの運動エネルギーを持つプロトンが界面でエネルギー散逸を伴いながら移動することを仮定している。このメカニズムは、実測される電流電圧特性において過電圧として現れると考えられる。このことを検証するため、固体高分子形燃料電池の電流電圧特性を測定するとともに、界面の存在を明らかにするためにインピーダンス測定を行った。その結果、界面処理の有無による界面状態の違いが明らかになり、プロトン伝導に対する界面の影響が明らかとなった。さらに、理論モデルにおいて予測された界面のポテンシャル障壁が過電圧に対して支配的であることが確かめられ、新しいモデルによる過電圧の再現が可能となった。本モデルを用いることにより、プロトンの粒子的な集団を扱うことで従来用いられてきた連続体モデルとは異なる視点から過電圧を議論することが可能となった。今後は、原子スケールの実験や数値解析を基に界面状態を考慮することで過電圧を予測し、燃料電池の新たな設計指針を与えることが期待される。また、本モデルは界面を介したイオン伝導を説明するモデルとして応用が可能であることから、燃料電池に限らずさまざまな系に対する解析に用いることができる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 固体高分子形燃料電池の積層界面におけるプロトン移動の理論モデル2009

    • 著者名/発表者名
      土井謙太郎
    • 学会等名
      日本機械学会 2009年度年次大会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2009-09-15

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi