研究概要 |
今年度は,フォーカシングシュリーレン法による定量解析にむけ組み上げたシステムにおいてその可視化特性を明らかにした.このとき本システムで可視化できる画像の積分幅は,過去の実験結果を参考に10mm前後とした.また,従来不明であった,ソースグリッドの形状が流れ場の可視化結果におよぼす影響について,通常のシュリーレン法との比較検討から実験的に明らかにした.その結果,格子状のソースグリッドを用いると通常のシュリーレン法の円形状のナイフエッジと同じ効果が得られ,かつ本手法により任意断面の可視化が可能となることが明らかになった.次に,フォーカシングシュリーレン法による密度の定量計測を行うための実験パラメータについて,本システムを衝撃波管流れを基準流れとして入射衝撃波前後の密度比を実験的に明らかにした.その結果,通常の一眼レフカメラを用いカメラのガンマ特性を補正することにより,実験的に求めた変数から理論値との誤差4%程度で任意断面における入射衝撃波前後の密度が求められることが明らかになった.また,フォーカシングシュリーレン法により,翼型まわりの流れに関する定量解析の評価にむけた比較データとして,衝撃波管翼型まわりの二次元流れを干渉計により可視化した.実験では基本的な翼型であるNACA 0012を供試模型として,圧縮性流れにおける比熱比の影響を調査し,フォーカシングシュリーレン法による実験結果との比較検討にむけた基礎データを得た.
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