含浸法を用いて作製したハフニウム酸化物担持カーボンを、アンモニア雰囲気下において熱処理(窒化処理)して、ハフニウム酸窒化物担持カーボン(HfO_xN_y-C)触媒を合成した。X線回折パターン、X 線光電子分光スペクトル及び透過型電子顕微鏡画像より、ナノサイズのHfOxNyが市販のカーボンブラックであるVulcan XC-72表面に分散していることが確認された。HfO_xN_y-Cを303Kの0.1 mol dm^<-3>硫酸中に浸漬し、溶解したHfの質量を、誘導結合プラズマ発光分光分析により測定した。浸漬したHfO_xN_y-Cに対する溶解したHfの質量比は、浸漬時間が24時間程度の時点において0.8-4.0mg g^<-1>の低いレベルで飽和した。その酸素還元反応(ORR)活性及びORRレートは、サイクリックボルタモグラム及び回転ディスク電極ボルタモグラムを測定して評価した。HfO_xN_y-Cは同条件で窒化処理したCに比べ高い活性及び低いターフェル勾配を示し、HfOxNyが酸素還元反応に対して活性を有していることがわかった。ORR活性は窒化処理温度に最も依存した。1223Kにおける窒化処理時間の増加によりORRレートは増加した。本研究では水素基準電極に対し、最高で0.78Vの反応開始電位が得られた。これは白金担持カーボン触媒より0.18V低い値であり、HfOxNy-Cは固体高分子形燃料電池のカソード触媒として有望であると考えられる。
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