研究概要 |
本研究課題では,核融合炉用材料開発に不可欠な材料照射試験用施設(International Fusion Material Irradiation Facility, IFMIF)をターゲットとした自由表面乱流場における乱流構造の解明及びMHD乱流熱伝達に関する大規模直接数値計算に基づく解析を実行している.本年度は,まず,フルード数1.8の高フルード数開水路乱流場を対象とした大規模直接数値計算結果と室内実験結果との比較検討,自由表面近傍の乱流構造解析を実施した.その結果,乱流モデリングに不可欠な自由表面近傍の乱流強度分布及び散逸率に関して,乱流本直接数値計算結果と室内実験結果は定量的によく一致することを確認し,高精度DNSデータベースの構築に成功した.また室内実験では得ることが困難な自由表面近傍での圧力歪相関,乱流渦拡散係数挙動を明らかにした.そして高フルード数開水路乱流場では鉛直方向乱流強度を生成項として自由表面近傍に与え,鉛直方向から主流方向への圧力歪相関を通しての再配分を行うことが重要であることを指摘した. さらに核融合炉特有の磁場効果を対象としたMHD乱流熱伝達解析手法を検討し,ベクトル並列計算機システムでベクトル化率99.6%,演算実効速度4.3TFLOPSの高速演算を可能とした.また、スカラ並列計算機システムでも数100並列環境下で70%以上の高い並列化効率が得られることを確認した.
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