研究概要 |
最終年度である平成23年度は,核融合材料照射施設(IFMIF)への応用を視野に液体金属流における磁場効果の組み込みと,熱輸送効果を考慮できるように、直接数値計算手法の拡張を行った。また高レイノルズ数・高ハルトマン数条件に適用可能とするために、MPI(Message Passing Interface)による大規模容量化と高速化を行った。その結果,東北大学SX-9/256CPUを用いた場合に、4.3TFLOPSの高速演算が可能となった。そして液体金属磁場乱流場においては、熱伝達挙動は既存の実験データとよく一致することを確認した。 また前年度構築した高フルード数開水路乱流場のDNSデータベースを用い、自由表面乱流場における乱流構造解析を実行した。まず高精度実験データとの比較により、自由表面近傍の乱流強度が実験値とよく一致することを確認し、本データベースの信頼性を確認した。フルード数が1を越える高フルード数条件下における、界面変形効果と圧力歪相関との関係を明らかにするとともに、界面変形強度は自由表面近傍の乱流強度によりスケーリングできる可能性があることを示した。さらに高フルード数自由表面乱流場における乱流モデル解析においては、自由表面上で界面変動強度を生成項として与える方法を提案した。 以上により、界面変形効果(高フルード数効果)、熱移動及び磁場効果を考慮可能な直接数値計算手法の開発に成功するとともに、高精度DNSデータベースの構築するとともに、自由表面乱流場における乱流構造に関する新たな知見を得た。
|