研究概要 |
平成21年度はまず,パラジウムPdを担持した触媒燃焼器上での,バイオガス(メタン-二酸化炭素混合燃料)の希薄燃焼特性の把握を行った.すなわち,メタン/CO_2濃度比および燃焼器入口温度が燃焼効率に与える影響を調査した結果,バイオガスのように燃料中に二酸化炭素を50 vol%含む燃料を用いた場合でも,触媒入口温度を400℃まで高めれば,空気過剰率が5の希薄条件でも80%以上の燃焼効率が得られることが明らかとなった. この結果に基づき,燃焼排ガスの一部を高温のまま吸気に再循環することにより,触媒入口での予混合気温度を燃焼成立温度まで高める方法について検討した.まず,エンタルピーバランス方程式により,燃焼成立に必要な熱的条件について調査した結果,約50%の排気再循環を行えば,十分な触媒入口温度が得られることが示唆された.ただし,排ガスを再循環させた場合,燃焼生成物であるCO_2,H_2Oという不活性ガスも燃焼器に投入されるため,再循環させない場合に比べて酸素濃度尾が低下し,燃焼効率が低下する可能性がある.そこで,再循環を適用した場合にも触媒燃焼が可能であることを確認するため,再循環を想定して予混合気中のCO_2濃度を高めた状態での触媒燃焼実験を行った.その結果,約50%の再循環を適用した場合でも,燃焼効率80%以上で安定した燃焼を維持することができ,本研究で提案した排気再循環による予混合気加熱法の有効性が示された.
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