研究概要 |
本研究では,圧電アクチュエータ・センサを用いたスマートストラクチャとしての航空宇宙用複合材構造を対象とし,特定の振動モードの効率的計測・制御を行うための簡易かつ高精度なシステムの構築を行うことを目的とした.本研究により得られた主要な成果は以下の通りである. 1.研究代表者らが提案したモード別振動計測系の設計方法(雑誌論文1)に関して,計測対象となる構造物の固有振動数が重複,もしくは近接する場合や,異なる二つの計測対象モードの振動を計測する場合を対象とし,構築したモードセンサの計測精度について検討を行い,数値計算例を通じて提案方法の有効性を明らかにした(学会発表1). 2.片持平板を対象として,研究代表者らが提案したモード別振動計測系(雑誌論文1)と最適配置された圧電繊維(MFC)アクチュエータによって構成される振動制御系を用いた単一モード振動制御の有効性が明らかとなり,効果的な振動制御系の構築が可能であることを確認した(学会発表2,3). 3.片持CFRP積層板を対象として,1組の圧電センサと帯域通過フィルタ,およびPZT圧電アクチュエータを用いた単一モード振動制御の有効性が明らかとなり,1組の加速度センサと帯域通過フィルタによって構成されるモード別振動計測系を用いた場合(雑誌論文1)と同様の制御効果が得られることを確認した. 4.片持アルミニウム平板を対象として,加速度センサ最適配置箇所,および加速度応答-最適印加電圧関係式を実験的に決定して構築した単一モード振動計測・制御系の有効性を明らかにした.
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