研究概要 |
レーザー光1本での水中における様々な微粒子の捕捉や移動,培地内における細胞の捕捉や移動,またレーザー光を2本用いて,微粒子で細胞を挟みこむことで,非接触で3次元運動や回転運動の運動制御を行ってきた。本研究では,細胞の機能をリアルタイムで分析処理するシステムを開発するため,細胞の破損や損傷がないことを絶対条件として取り組んできた。レーザー光が1本だと,3次元運動を行うことは可能だが,回転運動を行うことができない。したがって,レーザー光を2本使う方法を用いることで,細胞に直接レーザーを照射する必要がなく,細胞の破損や損傷を避けることができ,回転運動も可能となる機能分析システムが開発できる。 そこで,問題点の1つである,細胞の姿勢(回転等)により形状が変化することを防ぐために,対象の回転によってパラメータ変動が生じない,重心点からの等距離エッジ強度を使用して照合を行った。回転量に対して不変なパラメータであるため,回転のための処理を必要とせず,高精度で処理時間を短縮できる。なお,この画像処理技術:回転不変パラメータRIM(RotationaI-Invariant Matching)は,画像認識システムの中核技術となるので実用化に向けた研究開発も行った。この研究開発の過程で,RIMの技術検証と実用化のための課題抽出を目的とし,いくつかの実証実験が行われた。ロボットシステムへの応用展開もそのうちの1つであり,識別装置および識別方法として産業財産権を取得し,様々な産業で広く利用できる研究成果を得た。
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