研究概要 |
サブクローラを有する全身クローラロボットの遠隔操縦を対象として,簡単な指示でロボットを人間の思った通りに操縦する方法論の研究開発を行っている.多自由度のクローラロボットを簡単に操縦するためには,ロボットの自律性の開発が必要になる.申請者は,不整地を自律的に踏破する能力の開発を行ってきた.しかし,遠隔操縦においては,開発した自律性により,ロボットが人間の意図に反した動きを行うことがある.遠隔操縦ロボットが周囲の壁を傷つけないように、障害物機能を有した場合を想定して例を挙げる.操縦者が,ロボットの目の前にある障害物を押してどかすタスクを行う際,操縦者は障害物の方向にロボットを移動させる.しかし,ロボットは障害物に当たらないように回避動作を行うため,自律性の競合を起こる.このような場合,遠隔操縦ロボットの自律性と,操縦者の自律性の競合を調整する柔軟な操縦システムの開発が必要となる.平成21年度は,移動ロボットの自律不整地踏破能力の改良と,操縦者の入力に基づく衝突・転倒の予測を行った.これらの開発により,Kenafを用いて、段差環境を簡単な指示で自律的に踏破することが可能となった.同時に、ロボットの転倒・衝突の可能性を判断し,回避経路を生成することが出来るようになった.平成22年度は,引き続き、転倒・衝突判定の機能の高度化を行い,人間の意志を尊重しながら簡単な操作で、ロボットを遠隔操縦する枠組みの開発を行う.
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