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2010 年度 実績報告書

麻痺側足底圧を対側にバイパス呈示する知覚支援RTの脳神経学的評価

研究課題

研究課題/領域番号 21760208
研究機関早稲田大学

研究代表者

岩田 浩康  早稲田大学, 高等研究所, 准教授 (30339692)

キーワードリハビリテーション医学 / 人工感覚器 / 低侵襲治療システム / 生体システム / 生体情報・計測 / 健康・福祉工学 / 知覚支援 / ロボット
研究概要

本年度は、脳神経医学の知見に基づき、麻痺側足底圧を対側にバイオフィードバックする知覚支援RTにより脳賦活を促進させやすい呈示部位に関する仮説の立案と脳神経学的検証を行った。以下の2点の性質に着眼した:(1)障害を受けた側の脳(病巣側)の賦活が知覚支援RTのバイパス刺激により促進されやすい;(2)元来麻痺がおきにくい。非麻痺側へのバイパス刺激で賦活される正常側の脳への情報は、病巣側に伝播し、病巣側の正常な皮質に機能転移する必要がある((1))。そこで、交連繊維を介して左右脳が情報を交換し合う脳梁に着目することとした。脳梁の影響を密に受ける額は、四肢に比べ、バイパス刺激による賦活情報が病巣側に伝わり機能転移しやすいと推察される。一方、脳出血で良く観察される中枢性顔面神経麻痺では、交叉性繊維のみの支配を受ける顔面下部では麻痺が見られるものの、両側神経支配を受ける顔面上部では、左右脳どちらに損傷が生じても感覚が鈍麻しづらい((2))。以上より、脳梁交連性と両側神経支配の両性質を有する「額」は、脳機能再編を阻害する要因が少ないことから、病巣側の感覚野を効果的に賦活できる可能性が高いといえる。
上記の考えに基づき、足底接地状態を5箇所への振動で呈示する額装着型呈示Unitを開発した上で、刺激に対する認知のしやすさを4つの部位(額、指、前腕、背中)で比較した。被験者(計14名:片麻痺者、健常者)に対し圧刺激をランダム呈示した上で回答してもらう二種類の試験を行った:(a)静的刺激テスト(10種の定常刺激);(b)動的刺激テスト(12種の時変刺激)。評価のため、正答率の偏差値に加え、fNIRSにより麻痺足相当部の病巣脳の感覚野賦活状態を安静時と比較した。結果、額では脳賦活量と正答率が共に他の部位より有意に高くなる結果が得られたことから、額への呈示は、麻痺側足底への意識を向けやすくなることが示唆される。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (11件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 早稲田の倫理審査から工学系研究者が学んだこと2011

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康
    • 雑誌名

      日本ロボット学会誌

      巻: 29 ページ: 259-260

  • [学会発表] 21世紀、人と機械の関係性をどうデザインするべきか?2011

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康
    • 学会等名
      早稲田大学オープンカレッジ30周年記念連続講座「次代を切り拓くプロフェッショナル」
    • 発表場所
      早稲田大学、東京(招待講演:発表確定)
    • 年月日
      2011-03-31
  • [学会発表] 人の知覚・運動を支援するロボットテクノロジー2011

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康
    • 学会等名
      Motor Control & Learning研究会
    • 発表場所
      早稲田大学、埼玉(招待講演:発表確定)
    • 年月日
      2011-03-31
  • [学会発表] 認知神経リハのための運動機能・脳機能ハイブリッド評価手法2011

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康, ほか
    • 学会等名
      第22回バイオメカニズム・シンポジウム
    • 発表場所
      阿蘇ファームランド、熊本(発表確定)
    • 年月日
      2011-03-31
  • [学会発表] 体性感覚バイオフィードバックに基づくリハビリ支援システム~第4報:誤差覚知RTによる学習再誘引時の脳賦活評価~2011

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康, ほか
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会(Robomec2011)
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(発表確定)
    • 年月日
      2011-03-31
  • [学会発表] 体性感覚バイオフィードバックに基づくリハビリ支援システム~第3報:健側の能動探索による対側位置覚同定手法~2011

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康, ほか
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会(Robomec2011)
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(発表確定)
    • 年月日
      2011-03-31
  • [学会発表] 認知神経リハを支援する知覚支援RT2011

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康
    • 学会等名
      第50回日本生体医工学会講演会(JSMBE2011)
    • 発表場所
      東京電機大学、東京(発表確定)
    • 年月日
      2011-03-31
  • [学会発表] 片麻痺リハにおける誤学習抑制のための誤差覚知RTの効能検証2010

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康, ほか
    • 学会等名
      第31回バイオメカニズム学術講演会
    • 発表場所
      静岡大学浜松キャンパス、静岡
    • 年月日
      2010-11-07
  • [学会発表] BF型知覚支援RTを用いた認知神経リハ~第2報:BFによる麻痺側加重時の不安解消手法~2010

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康
    • 学会等名
      第37回日本バイオフィードバック学会学術講演会
    • 発表場所
      岩手大学、岩手
    • 年月日
      2010-07-18
  • [学会発表] BF型知覚支援RTを用いた認知神経リハ~第1報:麻痺側足底圧の対側肢体へのバイパス呈示とその効能検証~2010

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康
    • 学会等名
      第37回日本バイオフィードバック学会学術講演会
    • 発表場所
      岩手大学、岩手
    • 年月日
      2010-07-18
  • [学会発表] バイオフィードバックを用いた自己受容感覚リハビリ支援システム~第2報:体勢感覚回復訓練における視覚依存回避手法の提案~2010

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康, ほか
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会(Robomec2010)
    • 発表場所
      旭川大雪アリーナ、北海道
    • 年月日
      2010-06-15
  • [学会発表] バイオフィードバックを用いた自己受容感覚リハビリ支援システム~第1報:異種運動速度を取り入れた知覚・運動モデル再構築手法~2010

    • 著者名/発表者名
      岩田浩康, ほか
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会(Robomec2010)
    • 発表場所
      旭川大雪アリーナ、北海道
    • 年月日
      2010-06-15
  • [備考]

    • URL

      http://www.waseda.jp/wias/researchers/monthly/spot_h_iwata.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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