研究概要 |
平成23年度は、下記の課題に取り組んだ。 ■課題『伝導冷却型超伝導コイルの冷却試験』 平成21年度に、Surface winding法を用いて製作した超伝導コイル(コイル内径:150mm,コイル長:810mm,ターン数:234,コイル層数:2,使用したNbTi超伝導線の径:1mm,コイルは樹脂浸漬されている)の極低温への冷却試験、及びコイル温度制御試験を行った。超伝導コイルには、伝導冷却を行うため、コイル外層に短冊形状の純アルミ板(幅:75.5mm、厚み:6.6mm)を4枚、コイル周方向に配置し、コイル長手方向に沿って接着した。本研究では、GM冷凍機等は使用せず、縦長クライオスタットの底部に貯めた液体ヘリウムに、超伝導コイルに接着した冷却板の端部を浸すことにより、超伝導コイルの伝導冷却を行った。また、コイル温度を制御する際は、冷却板上に設置したフィルムヒーターをPID制御することにより、温度制御を試みた。 試験の結果、超伝導コイルを室温から極低温(4.2K)まで安定に冷却することができた。また、コイル温度制御に関しては、コイル温度を5K、及び6Kに制御することができた。ただし、その際、コイル巻線部で、最大0.2K程度の温度差が生じることが分かった。また、本冷却方法では、フィルムヒーターによる発熱の影響によって、液体ヘリウムの蒸発量が非常に大きいため、長時間におけるコイル温度の制御が困難であることが分かった。
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