偏光が制御された高効率紫外線発光素子材料として「非極性面AlInN混晶」の利用を提案し、非極性m面AlInN混晶薄膜の有機金属化学気相エピタキシー成長とその特性評価を行った。また、比較として、c面GaN、c面AlNテンプレート上への同時成長も行った。 約1μm厚のGaN下地層を介し、500~600nm厚のAl_<1-x>In_xN(x〓0.32)薄膜を成長した。InNモル分率(x)が0.17〓x〓0.32の範囲ではGaNにコヒーレント成長したが、それ以下のxではxの減少に伴って格子緩和が進んだ。コヒーレント成長した試料のチルトモゼイクを示すc(a)軸に沿った(1010)X線回折ロッキングカーブ半値幅は160(250)arcsec程度と小さく、ツイストモゼイクを示す(1012)回折半値幅も100arcsec程度と小さかった。一方、格子緩和が進んだ試料には半値幅の増加が観られた。これらの試料の陰極線ルミネッセンススペクトルには、250~500nm程度にバンドに付随する局在的な発光が観測され、非等方的な歪みを受けたm面薄膜に特徴的な偏光特性が観測された。
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