研究課題
本年度は、疑似LPE法として研究代表者等が提案しているDERI (Droplet Elimination by Radical-beam Irradiation)法について、様々なその場観察技術を用いることによりそのメカニズム解明を行うと共に、本InN成長手法をInGaN混晶成長やMgドープInN成長に応用させた。疑似LPE法を用いてInGaN成長を行った場合、Gaが優先的に膜中に取り込まれ、Inが表面に析出される。昨年度は、この現象を有効に利用することにより簡便にInN/InGaN周期構造を自然形成できる技術を確立した。今年度は、上記現象をその場観察技術を用いて制御しながら成長することにより、単一組成のInGaN厚膜成長も可能であることを示した。また、MgドープInN成長を同手法を用いて行った場合、Mgが優先的に膜中に取り込まれ、Inが表面に析出されることが明らかとなった。InGaN厚膜成長の技術をMgドープInN成長に応用させることにより、膜中にMgが均一にドープされたInN膜作製に成功した。このMgドープInNのバルク領域は再現性良くp型伝導特性を示した。このように、疑似LPE法を用いたInGaN成長、MgドープInN成長の成長メカニズムの解明を通して、InN系光デバイス構造に必要となる作製基本技術(下地層に必要なInGaN厚膜、InN/InGaN周期構造、p型InN)を着実に得ている。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (26件) 備考 (1件)
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 50 ページ: 01AE02(1-4)
Applied Physics Letters
巻: 98 ページ: 042104(1-3)
Proceedings of 22nd International Conference on Indium Phosphide and Related Materials
ページ: 92-95
http://www.ritsumei.ac.jp/se/re/nanishilab/Nanishi-Lab.html