研究概要 |
平成21年度は本研究遂行のカギとなる,バイスタティックレーダにおける送信アンテナと受信アンテナのカップリング抑制についてEBGと呼ばれる新構造の適応について検討した.実際の実験を行う前に,シミュレーションによリレーダシステムの最適構造を検討した.シミュレーション手法はFDTD法を用い,実際に近い条件で,EBG構造の最滴化を行った.その結果下記3点について重要な知見が得られた.(1) EBG構造については,送信アンテナ受信アンテナ間の距離により最適な大きさが存在する.(2)送信アンテナ受信アンテナはその向き(偏波)によってEBG構造を変化させなければならない.(3)パルスレーダに対応させるためには,広帯域特性を持つEBG構造が必要になる.なお,通常のバイスタテックレーダにおいてはキャビティと呼ばれるカバーをつけるが,ここで用いたシミュレーションにおいてはつけていない. また,(1)(2)により得られた知見より,EBG構造を組み込んだバイスタテックレーダをシミュレーションした.シミュレーション条件は,バイスタティックレーダの下に金属棒を挿入したモデルであり,この金属棒の検出イメージについて検討した.その結果EBG構造を組み込まないレーダよりも鮮明なイメージング画像が得られその有効性が確認できた.さらに,いくつか条件を変更してシミュレーションをしてその有効性を確認した.また,EBG構造の作成方法について基盤掘削機(ミルマシン)を用いて,いつかの予備実験を行い,その効果的な作製方法について検討を行った.
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