研究概要 |
平成21年度は,領域分割ベース符号化方式のアルゴリズムを確立し,領域サイズ導出アルゴリズムを品質面の観点から導き出すことを目的として研究を実施した.また,分割領域符号変換方式を確立し,ソフトウェア実装によるファイル変換処理実験から評価を行ことを目的とした.具体的には,高速符号変換処理のための変換用フラグを多用した領域開始・終了マーカ高効率挿入アルゴリズム,高速アクセスを可能とするマルチビットストリーム出力アルゴリズム,の研究を行った.実際は,分割領域サイズが小さい程,後続の符号変換処理にて柔軟な変換が可能であるが,各種予測符号化の効率の低下は否めないため,領域サイズと品質特性を導出し,許容符号量に対する最適分割領域サイズ導出可能方式を検討した.一方,「分割領域符号変換方式確立と処理量・映像品質評価」については,分割領域べース符号化ストリームから,視聴領域符号化ストリームを高速かつ高品質に作成する変換アルゴリズムを研究した.具体的には,マルチストリームから一つのストリームへの高速ストリーム抽出アルゴリズムを確立した.次に,動きベクトル,量子化パラメータ等に別領域からの予測符号化を適用し符号化効率を高める予測符号変換アルゴリズムについて研究した.アルゴリズムを実現する符号変換ソフトウェアを実装し,領域マーカ,マルチストリーム化による処理量低減効果,予測符号化導入による品質向上について評価した.最後に,簡単なプロトタイプシステムを構築した.
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