平成21年度には、サイクリック・プレフィックス伝送方式の基本形である直行周波数分割伝送方式(OFDM)では常に誤り訂正符号が用いられるという現実より、主に本研究課題で提案するConstellation-Rotated Vector OFDM (CRV-OFDM)伝送方式に誤り訂正符号を適応したCoded CRV-OFDM (CCRV-OFDM)について研究した。その結果:1) CCRV-OFDMが達成できる周波数ダイバーシチ効果はOFDMに誤り訂正符号を用いた場合の数倍になることを理論的に示し、計算機シミュレーションによりその効果を実証した。2) 誤り訂正符号を用いる場合に必要とするインターリーバの設計問題において新しい見知が得られ、長年未解決だった最適インターリーバの設計問題をGeneralized Block Interleaver (GBI)という新しいインターリーバを提案することで解決した。3) CCRV-OFDMでの受信側での計算量を削減するための新しいアルゴリズムを提案した。これらの研究成果は、通信分野の世界的権威学会であるGLOBECOMに投稿しており、権威学術誌へ投稿するために原稿執筆中である。また、CRV-OFDM通信方式はその有効性が認められ、通信分野の世界的権威学会であるIEEE International Conference on Communicationsでの発表を経て、権威学術誌IEEE Transaction on Communicationsに掲載されている。
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