研究課題
本研究は、多次元に拡大している無線通信ネットワークのためのネットワークコーディングの特性を明らかにするものである。ネットワークコーディングは、無線通信の同報性を活かして効率良く符号化を行い中継伝送するものである。しかしながら、ネットワークコーディングを多次元化された無線通信ネットワークに適用する場合、次元の拡大による中継点の増加、理想的な電波伝搬モデルと実際のモデルとの差異の影響、など検討しなければならない課題がある。平成22年度は、昨年度の調査検討結果を活用し、三次元空間のためのネットワークコーディングとしてぐ複数のアンテナを用いて送受信を行うMIMOネットワークコーディングに着目し、送受信アンテナの構成法、干渉回避及び除去法を理論解析により検討した。本研究では、新たに水平・垂直偏波をMIMOネットワークコーディングに適用することで、多次元空間における同一チャネル干渉の軽減を行った。性能評価の結果、偏波を導入することより対象次元がさらに拡大し、ネットワークスループットが向上できることを明らかにした。さらに、偏波を用いたMIMOネットワークコーディングに時空間ブロック符号を適用することで、符号化率とダイバーシティ利得を改善でき、従来の2倍以上のネットワークスループット性能を達成可能であることを明らかにした。
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電子情報通信学会論文誌
巻: Vol.E93-B, No.12 ページ: 3514-3517