研究課題
前年度と同様,本研究の鍵となるのは「交渉」に基づいた学習であった.前年度までは,複数の学習アルゴリズムを想定して検討を行なってきた.最終年度である本年度は,計算に要する時間,実装の容易さ,オーバヘッドを総合的に考慮して,メカニズムの最適化を行なった.詳細は次の通りである.1. 各アルゴリズムが安定的な解を発見する所要時間(学習時間)を実時間尺度で評価した.ただし、性能と学習時間とには予想どおりトレードオフの関係が存在したが,性能劣化を最小限にとどめられるようにした.2. 各アルゴリズムを用いた場合に,メカニズム全体において発生する情報交換のオーバヘッドや実装のオーバヘッドがどの程度となるか,定量的な評価を行なった.3. コグニティブ無線環境を模したシミュレーションを用いて,アルゴリズムを相互に比較評価した.アルゴリズムの優劣は予想どおり条件によって異なったため,様々な条件を与えて多角的な評価を行なった.条件の生じる尤度によって結果を重み付けし,各アルゴリズムの総合的な性能を比較評価した.4. 3.で最も優れていると評価されたアルゴリズムをベースとして,メカニズム全体の設計を見直し,改良の余地があれば改良を行なった.得られた成果を国内研究会などにおいて発表し,聴講者からフィードバックを得た.また,本年度は特に最終年度であったため,これまでの成果をまとめ,論文誌への投稿を行った.特に,本研究の方法論や成果を広く報知するため,また,費用対効果を高めるため,よく引用される論文誌を選んだ.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEEE Trans. Wireless Communications
巻: vol.11, issue 11 ページ: 3841-3849