研究課題
ウェーブレット変換に関する時間周波数分解能の向上および計算量の低減を目的として、周期信号処理に基づいた設計法および実現法について研究し、その応用技術を開発した。大局的な目標として、周期ウェーブレット変換技術の研究開発を通じて、周期信号処理技術ならびにウェーブレット変換の汎用を促す役割を担うのが本研究である。本年度の主な成果は次の通りである。1. 低演算量で知られるコサイン変調フィルタバンクの設計法を研究し、提案手法によって圧縮性能および計算量の点で優れた画像符号化システムが実現可能であることを明らかにした。2. 周期的な構造を有する任意周期の多相直交系列の生成法を研究し、提案手法がこれまでの生成法を包含する多相直交系列を生成可能であることを明らかにした。3. 周期信号処理技術の一つである直交周期複素数系列セットに基づく電子透かし法を開発し、提案手法のロバスト性や画質、署名情報量といった基本的な性能を明らかにした。また、さまざまな種類の周期系列を用いた電子透かし法を検討し、周期信号処理技術の有用性を確認した。上記に加えて、ウェーブレット変換係数をコンパクトに表現する符号化方式も開発し、その成果をまとめた論文を国際会議に投稿中である。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
電子情報通信学会論文誌A Vol.J92-A, No.11
ページ: 917-920
IEICE Transaction on Fundamentals Vol.E92-A, No.7
ページ: 1633-1641
電子情報通信学会技術研究報告 回路とシステム研究会 Vol.109, No.396
ページ: 49-54