研究概要 |
本研究は,オンラインバンキングのようなネットサービス等,遠隔での認証に使用可能な生体認証システムの研究開発を目的としている.この研究でのポイントは,生体認証に特有な生体情報のプライバシを保護しつつ,ネットワークセキュリティの基盤技術としての生体認証の確立を目指している点にある. 平成21年度は要素技術となるワンタイム生体認証のコンセプトの実装モデルについて検討を加えた.主な検討のポイントは(1) 顔画像について,いかなる情報をワンタイム変換の対象とするか,また,(2) ワンタイム変換を実現する写像系をいかに構成するかという2点である.(1) については,現在JPEG形式における情報圧縮後,すなわち画像の空間周波数成分に注目して検討を進めている.(2) については'フラクタル理論における反復関数系を用いた,座標変換の生成方法を検討している.平成21年度の段階では十分な知見を得るには至っていないので,次年度,さらに検討を進めていく予定である.
|