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2010 年度 実績報告書

UV-LEDを用いたNADH蛍光検出式バイオセンシングに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21760310
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

宮島 久美子  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 技術職員 (10516298)

キーワードアルコール脱水素酵素 / 還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド / 高輝度紫外線LED / バイオセンサ / 光ファイバプローブ / エタノールガス
研究概要

エタノールガスを簡便かつ選択的に計測するため、アルコール脱水素酵素(ADH)の触媒反応により生成される還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の蛍光を、高輝度紫外線LED(UV-LED)光源を利用した光学システムを用いて検出する、エタノールガス用バイオセンサを作製した。まず、親水性PTFE膜上に、ADHと、ポリマーの一種であるPMEHとの混合液を塗布・含浸させ、冷蔵室にて3時間乾燥させることにより酵素を包括固定化した。次に、光ファイバプローブをシリコンチューブ及びアクリルパイプからなるフローセルに組み込み、ADH固定化膜をファイバ先端に密着するように取り付け、エタノールガス計測用バイオセンサとした。ここで用いたフローセルは、液相セルと気相セルとから構成されており、リン酸緩衝液を循環させることが可能な構造であることから、連続的にエタノールガスの検出が可能となる。作製したセンサの特性を調べるため、バイオセンサの気相セルにエタノールガスを導入したところ、ガス濃度に応じたセンサ出力の増加が観察され、エタノールガスを0.32-300.0ppmの濃度範囲で定量が可能であった。また、エタノールガスと同様の手順にて、異なる種類のガスを導入したところ、エタノールを含まない試料についてはほとんど応答を示さなかったことから、酵素の基質特異性にもとづくガス選択性が確認された。以上の結果から、本センサは、アルコール代謝の評価や酒気帯び運転の判断ツールとして有効であると考えられる。本センサは既存の半導体式ガスセンサに比べ、高感度且つ選択的なエタノール検出が可能であるうえ、センサデバイスの小型化が可能であるため、汎用性が高まると同時に集積化することが可能である。したがって、パターン認識による匂いの識別や、携帯用簡易センサとして他の疾病の診断による医療分野や環境計測のモニタリングへ応用展開できるものと考えられる。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Soft contact lens biosensor for in-situ monitoring of tear glucose as non-invasive blood sugar assessment2011

    • 著者名/発表者名
      MingXing Chu, Kumiko Miyajima, Daishi Takahashi, Takahiro Arakawa, Kenji Sano, Shin-ichi Sawada, Hiroyuki Kudo, Yasuhiko Iwasaki, Kazunari Akiyoshi, Manabu Mochizuki, Kohji Mitsubayashi
    • 雑誌名

      Talanta

      巻: 83 ページ: 960-965

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Biosensor for L-phenylalanine based on the optical detection of NADH using a UV light emitting diode2011

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Arakawa, Tomoyuki Koshida, Tomoko Gessei, Kumiko Miyajima, Daishi Takahashi, Hiroyuki Kudo, Kazuyoshi Yano, Kohji Mitsubayashi
    • 雑誌名

      Microchimica Acta

      巻: 173 ページ: 199-205

    • 査読あり
  • [学会発表] 化学-力学エネルギー変換機構(有機エンジン)を利用した自立駆動型薬物放出システム2011

    • 著者名/発表者名
      畑山宏大, 加藤了大, ムンフジャルガルムンフバヤル, 宮島久美子, 高橋大志, 荒川貴博, 工藤寛之, 三林浩二
    • 学会等名
      第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      厚木
    • 年月日
      20110324-20110327
  • [学会発表] 環境中ホルムアルデヒド評価のための成化学式ガスセンサ2011

    • 著者名/発表者名
      山下俊文, 板橋玄, 月精智子, 宮島久美子, 高橋大志, 荒川貴博
    • 学会等名
      第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      厚木
    • 年月日
      20110324-20110327
  • [学会発表] 涙液糖モニタリングのためのソフトコンタクトレンズ型バイオセンサ2011

    • 著者名/発表者名
      平沼義貴, 初明星, 宮島久美子, 高橋大志, 荒川貴博, 工藤寛之, 平松秀夫, 三林浩二
    • 学会等名
      第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      厚木
    • 年月日
      20110324-20110327
  • [学会発表] 人体通信技術を用いた生体情報モニタリングシステム2011

    • 著者名/発表者名
      神白匠, 高橋大志, 宮島久美子, 荒川貴博, 工藤寛之, 矢野和義, 三林浩二
    • 学会等名
      第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      厚木
    • 年月日
      20110324-20110327
  • [学会発表] アルコール代謝評価のための呼気中エタノールガス可視化システム2011

    • 著者名/発表者名
      芳賀俊介, 北和昂, 王シン, 宮島久美子, 高橋大志, 荒川貴博, 工藤寛之, 三林浩二
    • 学会等名
      第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      厚木
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] 住環境中ホルムアルデヒドの高感度モニタリングを目的とした生化学式ガスセンサ2010

    • 著者名/発表者名
      山下俊文, 板橋玄, 月精智子, 宮島久美子, 高橋大志, 荒川貴博, 工藤寛之, 三林浩二
    • 学会等名
      第22回SASインテリジェントジンポジウム
    • 発表場所
      平塚
    • 年月日
      20101118-20101119
  • [学会発表] Fiber-optic fluoroimmunoassay for on-site detection of Dermatphagoides farinae allergen in residential environment2010

    • 著者名/発表者名
      Kumiko Miyajima, Gen Itabashi, Daishi Takahashi, Takahiro Arakawa, Hiroyuki Kudo, Hirokazu Saito, Kohji Mitsubayashi
    • 学会等名
      13th International Meeting on Chemical Sensors
    • 発表場所
      Perth, Western Australia
    • 年月日
      20100711-20100714
  • [学会発表] ダニアレルゲンDer f1の住環境における動態評価のための蛍光免疫計測に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      宮島久美子, 板橋玄, 玉利佳子, 高橋大志, 荒川貴博, 工藤寛之, 齊藤浩一, 矢野和義, 芝紀代子, 三林浩二q
    • 学会等名
      第71回分析化学討論会
    • 発表場所
      松江
    • 年月日
      20100500
  • [図書] 第71回分析化学討論会「展望とトピックス」地球と人間の未来をみつめる分析化学2010

    • 著者名/発表者名
      宮島久美子, 板橋玄, 玉利佳子, 高橋大志, 荒川貴博, 工藤寛之, 齊藤浩一, 矢野和義, 芝紀代子, 三林浩二
    • 総ページ数
      21
    • 出版者
      社団法人 日本分析化学会 展望とトピックス委員会

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公開日: 2012-07-19  

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