研究概要 |
多自由度人工筋肉システムを用いたSR制御システムの耐故障性能テスト 本年度は、SR制御システムの耐故障性能に重点をおいて研究を行った。Field-Programmable Gate Array(FPGA)に実装したSRリング発振器システムを用い、台車の光追随制御システムをシミュレートするシステムを構築した。さらに、人工筋肉に見立てたポリマーメタル複合体アクチュエータを想定した多自由度システムを、FPGAで生成した信号をもとにコンピュータ上で動作をシミュレートするシステムを構築した。これにより、SR制御システムの耐故障性能テストをシミュレートできる環境が整った。 FPGA-SRリング発振器を用いた多自由度システムの制御と耐故障性の動的解析 上記研究により実現されたFPGA-SR制御システムを用い、FPGA上の各SR丘ニットのON/OFF状態を切り替えることで素子の正常/故障状態を切り替え、多自由度アクチュエータのレスポンス(入出力のSNR)を素子故障数の関数としてプロットすることでシステム耐故障性能及び人工筋肉の制御用途、の可能性を調べた,システムに加えるノイズ強度がSRユニットの閾値に対して小さい時は、素子の故障数が増加するとシステムのレスポンスを示すSNRは低下するが、その状態からノイズ強度を増加するとSNRが増加してシステムのレスポンスが改善し、ノイズによってシステム全体の耐故障性能が向上することがわかった。この現象は、生体システムに見られる行動の確率共振現象と呼ばれているものと類似しそおり、これまで個々の現象として調べられてきた確率共振現象が、その集合システムにおいても機能することを明らかにした。
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