| 研究概要 |
本課題では,多様体上の非線形制御系の大域制御問題と最適制御問題を扱っている.多様体上の制御系には一般には大域的な座標が存在しない.そのため,従来のユークリッド空間上での最適制御問題の手法が数学的に厳密に適用できるかは自明ではない.本研究では,多様体上の制御系の大域漸近安定化問題と最適制御問題について考察し,以下を明らかにした.
1.無限時間最適レギュレータ問題の値関数が半凹であるためのある十分条件について
非線形最適レギュレータ問題はHJB方程式を解くことに帰着され,その粘性解が最適制御則を導くのに必要な値関数となる.本研究により,多様体上の制御系について,HJB方程式の解が存在するときについて,その値関数は局所半凹となるためのある十分条件を示した.特に,大域的な半凹性が原点近傍の半凹性条件に帰着されることを明らかにした.これにより,HJB方程式の解として,局所半凹な値関数を探索することことの有用性も明らかにした.
2.制御Lyapunov関数の探索アルゴリズム
最適レギュレータ問題の解である制御Lyapunov関数を得るための準備として,ニューラルネットワークによる制御Lyapunov関数の探索アルゴリズムを提案した.また,簡単な例題を用いて,その有効性を確認した.
|
