平成22年9月に係留索引張ロードを計測するロードセル及びセンサインターフェースを導入し、10月よりデータ計測を開始した。実験はCPP(可変ピッチプロペラ)翼角設定に対する係留索テンションを計測し、CPP翼角4゜において最高2kNのロードが架かることを確認した。また翼角設定から係留索ロード負荷までにむだ時間が存在することを確認した。次に平成22年1月において風速に対する係留索ロードを計測したが、10m/sec程度の風速におけるテンションしか取得できず比較検証のためにはさらなる強風のロード計測が必要である。また、台風などの強風時における手動のCPP翼角操縦について係留索ロードを計測する予定ではあったが今年度の台風上陸は無かった。代わって冬季の強風時においてCPP操舵実験を予定したものの前後方向の強風が得られず今年度については所望の実験ができなかった。21年度についてはCPP翼角設定に対する船舶推進時間応答を計測し船舶推進運動モデルを設計した。今後の22年度において気象環境が整い次第に風に対するCPP翼角制御を実験し、風や潮流に対する係留索ロードを計測して風及び潮流・係留索ロードモデルを設計する。また、21年度について制御系の船舶実装試験は行わなかったが、MATLABによるCPP翼角制御系を設計し、シミュレーシヨン上で船舶実装に向けた制御系を検討した。シミュレーション解析の結果をまとめ平成22年9月に電気学会に論文投稿したところである。なお、本研究で適用する一般化最小分散制御の基礎的研究について平成22年6月に計測自動制御学会論文集、8月に電気学会C部門誌に掲載された。
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