研究概要 |
平成22年度の研究では前年の成果を踏まえて,作業員の作業情報(生産性管理区分)の自動判別システムの構築を行った。そのプロセスは下記のとおりである。 1.作業員属性,位置,動作加速度,動作加速度の周波数特性,時刻の情報を統合するシステム構築 2.上記1.かち生産性管理区分を自動判別するアルゴリズムを構築 3.作業員にデータ取得端末を装着し,建設現場でデータ取得 4.同時に,調査員によるワークサンプリングを実施 5.上記3.のデータからの自動判別結果と4.の結果の比較 6.上記5.の結果から誤判別のパターンを抽出し,上記2.のアルゴリズムのブラッシュアップ 7.以後,上記2,から6までを繰り返す その結果,本研究で目標としていた自動判別システムの構築は完了することができた。なお,現段階の判別精度であるが,作業に直接寄与する"Direct Work"や,生産性に寄与しない"Break"の判別精度は9割を超える程度と高かったが,その他,"Travel(移動)","Wait(待機)"などの区分については5割程度となっている。これは,今後も上記のプロセスで現場における実験を繰り返すことで改善が可能である。 同時に、本年度は作業員に装着する端末の開発も進めた。昨年度まで活用していた端末は位置情報を取得する端末と加速度情報を取得する端末がそれぞれ独立していたが,これを一体化し,データ取得時間の延長と小型化,データ抽出作業の簡便化を図った。この端末が完成したことで,今後の現場実験における効率性が飛躍的に向上することが期待できる。
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