研究概要 |
本研究では領域に対して3方向からレーザーライトシート(LLS)を照射し,風波を伴う閉鎖性水域の3次元的の流れ特性を解明した.特に海洋での観測が報告されているラングミュアー循環流に注目した.これは波と風の相互作用によって生成するとされるが,詳細なメカニズムについては不明な点が多い.本研究プロジェクトでは,流れの横断面の可視化計測を高速度PIVによって行い,循環流の時間平均構造や位相平均構造の特性を明らかにするとともに,渦構造の客観的な抽出に成功し,そのスケールを定量評価した.さらに平均流成分,波動成分と乱れ成分間のエネルギー輸送および乱れ生成特性の関係性を輸送方程式の相互項より計算した.また本実験結果を安定解析し,ラングミュアー循環流形成に関わる支配的パラメーターや循環流が流れ場に及ぼす影響を解明した.研究のまとめとして,これらの乱流現象の現象モデルを構築し,循環流とストリーク構造の立体構造を実験的に明らかにした.特に本年度では3台の高速度カメラを同期させたマルチカメラ可視化システムの開発に成功した.このシステムではステレオPIVにより横断面における流速全3成分を計測するとともに,水面形状も画像情報より同時に評価することができる.この画期的な計測手法によって,循環流と波の位相関係,水路アスペクト比と循環流の生成特性の詳細が定量的に解明できた.
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