研究概要 |
平成21年度は,バラスト道床を下負荷面モデル,まくらぎを線形弾性体でモデル化した弾塑性有限要素モデルにより繰り返し変形解析を行ない,鉛直荷重および水平荷重がレール位置に繰り返し作用する場合の道床内部の変形状態について考察した.その結果,載荷時のまくらぎのたわみの影響を考慮した場合,塑性ひずみはまくらぎの真下の領域に集中し,物質の移動について粒状体解析の場合の解の挙動と類似した解析結果が得られることがわかった.その他,応力やスピン,回転の分布についても検討した. さらに,有限要素連続体モデルを用いた繰り返し変形解析のさらなる効率化を目的に,hypoplasticモデルに時間域均質化法を援用したマクロ・ミクロ時間応答に関する弱連成解析手法を有限要素法プログラムに実装し,準静的釣り合い問題における解析アルゴリズムの妥当性,および計算負荷の削減可能性などについて検討した. また,cycle-jump型構成モデルを用いて物質点での応力解析を行ない,残留ひずみの評価精度と計算負荷の関係について検討した. なお,上述の研究成果は,平成22年度以降に順次論文等で公表する予定である.
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