本研究では、地方部におけるITS(高度道路交通システム)の普及促進に資する新しい埋設型車両検出センサー(以下埋設型センサー)を開発することを目的とする。埋設型センサーは、既存の車両センサーと比べて安価で、設置工事が簡単、電源線、信号線の配線が不要であり、全体的なコスト面で利点がある。本研究助成期間中に埋設型センサーの試作機を製作し、実道実験によって有効性を検証した。 平成22年度は、車両検出部の回路再設計を行い、省電力化・コンパクト化を図った。 ・地磁気センサー回路の再設計 ICチップの再選定によって回路を再設計し、デジタル化したことでアンプ回路の削減が可能になり当初の設計より省電力化、感度向上を確認した。 ・試作器による検出実験 軽自動車・コンパクトカー・小型トラック・中型一般バスの検出実験を行い、車種判別が可能であった。また、必ずしもセンサーの真上を通過せずとも検出することは可能であり応用範囲が広がった。さらにベクトル解析により地磁気センサー1個で車両の進行方向が判別可能であった。 センサー1個で大型・小型の車種判別でき、さらに進行方向の検出が可能で検出範囲も広いことから、中山間道路走行支援システムはもとより、簡易な渋滞計測、高速ジャンクションなどでの交通量計測、駐車場の満空検知など応用発展が期待でき、今後ハードウェア改良によってさらなる高精度化、3次元解析などアルゴリズムの開発を行い汎用的な製品として実用化していく。
|