ロービジョン者の移動問題を考える上では、その「見え方」を考慮する必要がある。しかし、ロービジョン者の歩行環境整備全般にわたって、視覚および他の感覚機能からどのような情報を入手して歩行しているのかは十分に把握できていない。本研究では、ロービジョン者の視覚機能が歩行時の利用情報に与える影響について明らかにした。その結果、視覚機能の低下が、聴覚情報、触覚情報の利用に大きく影響を与えているが、視覚情報利用に大きく影響していない。このことより、ロービジョン者には視覚情報は重要であり、認知できる視覚情報を提示することが旅客施設においても有効である。
|