研究概要 |
本研課題では、従前の「環境リスク管理」の概念を産業主体の一人称の視点で拡張した「組織の持続可能性を指向した環境リスク管理のための知識モデルの構築」を目的とし、環境リスク管理の実践を支援するための知識ベースの開発に係る研究を遂行した。本年度は特に,前年度の成果である環境リスク管理のための知識の体系の環境リスクドメイン参照モデルについて、8分類5階層からなる知識構造を自然言語で定義したものに対して,知識ベースとしてウェブへの実装と公開を行った。具体的には、環境リスクの大分類を大きく1.人や生態系への環境リスクの分析、2.バリューチェーンでの環境のリスク分析、3.技術開発・適用の環境リスク分析、4.環境市場・金融のリスク分析、5.社会的環境責任に伴うリスク分析,6.国際連携におけるリスク分析、7.地球環境制約のリスク分析、8.環境クライシスのリスク分析に類型化し,これらのサブ項目を計332項目として上位下位の概念で階層構造化を行い,ウェブオントロジー言語の基盤技術であるXML技術を用いてウェブシステムに実装し,参照できる環境を構築した。また書籍においては,組織のリスクマネジメントの脆弱性診断ツールの環境リスクの分野としてプログラムへの実装の支援を行い,出版を支援した。加えて「成果の公開とウェブシステムへの実装と継続改善システムの構築」については,リスク管理、環境リスクの関連学会において、2報の報告を実行し、各種専門家との意見交換を実施した。
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