申請当時は自由地盤上に鉄筋コンクリート直接基礎模型および鉄製錘を作製し、衝突振動実験を実施することを計画していたが、1)研究期間中に解体工事期間を利用して既存鉄筋コンクリート構造物の直接基礎に対して衝突振動実験を実施することが可能となったこと、2)既往の鉄筋コンクリート構造物の震動台実験において使用した鋼製錘を組立することで大規模な鉄製錘を作製可能であったことにより、平成22年度に実大鉄筋コンクリート基礎地盤の非線形応答性状を実験的に検証し、既往の研究において実施されている近傍地盤の標準貫入試験結果から地盤ばねの理論弾性剛性と実験結果を比較するように研究計画の変更を行った。そこで平成21年度中に研究計画変更のための予算繰越申請を行い、当該年度は実験実施のため載荷計画の策定と載荷実験治具の製作作業を行った。衝突載荷実験は最大10(m)程度の高さから鋼製錘を振り子上に落下させることで梁間方向の直接基礎側面に衝突させたることとし、錘を支持する鉄骨フレームは衝突時の反力が試験体に作用しないように、実験区画から切り離された校舎屋上床、梁側面、袖壁位置で支持する詳細とした。鋼製錘は鉄骨フレームからシャックル、ワイヤー、クレビスを介して4点吊りし、錘吊り上げ時には錘側面から載荷発射装置を介して500(kN)トラッククレーンを用いて吊り上げる計画とした。錘は1(m)×1(m)×0.04(m)の錘板を50枚重ねて製作し、総質量は17(ton)の錘を作成した。実験ではコンクリート基礎に鋼製錘を衝突させるため、衝突力は地震時に基礎に作用する慣性力に比べて非常に周期が短くなる。そこで、衝突作用力を地盤-建物連成系の固有振動数に対応させるため、衝撃力を緩衝させる天然ゴム(1(m)×1(m)×0.1(m)、数枚)を購入し、緩衝材を製作した。
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