研究概要 |
本年度は,紫外線硬化型FRPによる既存木造住宅の耐震補強工法を開発する目的で,以下の実験を実施した。 (1) FRP素材引張試験 (2) 木材に対する二面せん断接着試験 (3) コンクリートに対する二面せん断接着試験 (4) 基礎コンクリート補強試験体の3点曲げ試験 (5) 木造筋かい壁補強試験体の面内せん断試験 (1) FRP素材引張試験では,本実験で用いるFRP(VC:ビニロンクロス,GC:ガラスクロス,GUD:ガラスユニダイレクション)の破断耐力および伸び能力の基礎特性を調査した。(2) 木材に対する二面せん断試験および(3) コンクリートに対する二面せん断接着試験では,では,木材およびコンクリートにFRPを貼り付けた際のせん断接着耐力特性を調査し,下地の処理方法(かんな仕上げ,グラインダー仕上げ)およびベースプライマ(エポシキアクリレート樹脂・2液混合型プライマ,ウレタン樹脂・1液型プライマ)の効果等を確認した。(4) 基礎コンクリート補強試験体では,低強度無筋コンクリート布基礎梁をFRPによって補強する工法の提案を行い,3点曲げ試験によって曲げ耐力特性を調査した。(5) 木造筋かい壁試験体の面内せん断試験では,基礎コンクリート梁を有する木造筋かい耐力壁試験体を作成し,最大耐力,最大変形性能,塑性変形エネルギー等について検討し,要素基準耐力(壁強さ倍率),要素基準剛性を算出し,本工法の耐震補強性能および施工性を検討した。
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