本研究では、経済性や加工性の高い木質構造の長所を生かしつつ、部材の大きさの制約や接合部の強度確保の問題を補う目的から鋼板と木材とを組合せた鋼木複合断面部材を開発した。複合断面は、鋼板を木材で挟み込む形状をしており、その一体化接合には、鋼構造用の高力ボルトを利用した。削孔した木材に鋼管を挿入し、高力ボルトで締め付けることで、鋼管は直径方向に拡大する形で塑性座屈し、木材との一体化の上でのガタを解消した。45分耐火実験を行い、燃え代設計の考え方に基づいた準耐火性能を有する可能性が整理できた。また、一体化接合部のせん断(ずれ)性能を実験的に評価した。また、同接合方法を用いた大スパン架構の試設計を行い、実用の可能性を示した。
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