最終年度となる平成22年度は、平成21年度の成果を受け、快適性と安全性評価のための自律分散型建築モニタリングシステムの確立を目的とし、安全性評価のための自律分散型モニタリングシステムの実証実験および快適性評価のためのモニタリングシステムの開発を行っている。まず、安全性評価のための自律分散型モニタリングシステムの実証実験としては、昨年度に開発したマイコン搭載センサー端末を用いて、E-Defenseにおける実大高強度鉄筋コンリート構造物の加振実験を対象に行い、効率よく損傷を検知できることを確認している。また、マイコン搭載センサー端末と昨年度に開発した小型車両ロボットの協調による安全性評価のための自律分散型モニタリングシステムの実証実験として、実大天井試験体の加振実験によっても、効率よく損傷を検知できることを確認している。次に快適性のためのモニタリングシステムとして、小型車両ロボットによる無線給電を用いた温度、湿度および照度を計測するモニタリングシステムを開発している。開発した快適性のためのセンサー端末は、無線給電により電力を供給するために、センサー端末の電池交換などが必要としない。上記の成果を基に、小型車両ロボットを効率よく用いた快適性と安全性評価のための自律分散型建築モニタリングシステムを提案した。
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