研究概要 |
1) 着霜,除霜運転条件およびエネルギー消費効率実験 当実験を実施するため,熊本県立大学実験室内に冷凍機を組み込んだ実験BOXを製作した。まず,除霜運転が発生する条件を検討するため,(1)室外機周囲の温湿度,(2)ルームエアコンの処理熱量(能力),(3)運転継続時間の3つのパラメータを組み合わせた実験を行った。(2)の条件については,通常,除霜運転が必要となる外気条件では暖房負荷が大きくなるので,最大能力運転時を中心に実験を行った。実験の結果,1機種の計測結果ではあるものの,室外機のコイル表面に,「結露」,「着霜」する温湿度の条件,ならびに除霜運転が発生する条件が明らかとなり,この条件を示す図を作成した。次に,除霜運転前後の冷媒温度や能力等の変化を計測し,除霜運転時の冷凍サイクルを解析した。 2) 着霜・除霜運転に関わるエネルギー消費効率低減係数の導出 1) の計測結果を用いて,除霜運転時のエネルギー消費効率低減係数を算出した。具体的には,除霜運転開始から任意の時間経過後の平均エネルギー消費効率を算出し,この値と,除霜運転をしない場合の効率との比を低減係数とした。この結果を用いると,任意の経過時間を除霜サイクルと見做せば,除霜運転時の効率低減量が把握できる。例えば,除霜サイクルが約30分の場合,低減係数は10~15%であった。 以上の結果の一部は,日本建築学会環境系論文集に投稿(2009年1月)し,採用が決定した。
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