屋外における日射反射率測定では、単に全天日射と反射日射を測定しアルベドを算出しても、周囲環境からの反射日射の影響を受け、測定したい部分のみの日射反射率を得ることは難しい。そこで、日射反射率が既知の白および黒を対象面上に設置して測定したアルベドと対象面のアルベドを用いて周囲環境からの反射日射の影響を除外する二点校正法を提案している。この方法を用いることで日射反射率を±0.05程度の誤差で評価できることが確認されている。二点校正法では表面を完全拡散面と仮定しているので、標準板と対象面の表面光沢が異なる場合に誤差が生じる可能性が考えられる。標準板と対象面の表面光沢を合わせて測定を行うことが望ましいのであるが、現実的には難しいと考えられる。そこで表面光沢による誤差への影響度を定量的に把握することを目的として、表面光沢の異なる標準板および試験体を作成し、測定を行った。具体的には表面光沢度が低、中、高の3種類を作成し、標準板と試験体の光沢の組合せ9通りについて測定した。 測定結果から、標準板と試験体の光沢度の差と二点校正法による推定誤差には、光沢の差が大きくなると推定誤差が大きくなる傾向が伺えた。また、この傾向は試験体の日射反射率との関係があると推察された。また、表面光沢の影響は直達日射の多少により度合いが異なると考えられ、測定中の日射変動の影響も考慮する必要があることが確認された。これらの点を考慮して、測定を継続し、表面光沢の違いが二点校正法の日射反射率推定値に与える影響の定量化を検討して行くことが必要である。
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