研究概要 |
市街地における騒音伝搬に及ぼす気象影響を明らかにし、その影響を考慮した実用的な予測モデルを構築することを目的として検討を行った。本年度の主な検討内容は以下の3点である。 1 任意の気象条件を考慮可能な音響数値解析手法に関する検討 ・対象とする都市断面構造に対してCFDにより得られた任意の気流条件について,騒音伝搬特性を検討可能なFDTD法に基づく音響伝搬解析手法を開発した。 2 実用的な予測モデルの検討 ・鉄道騒音を対象として年間を通した定点モニタリングを行い(軌道から水平距離約90m,高さ70mの地点),都市高層部における気象影響による騒音レベルの変動について検討を行った。 ・種々の都市断面構造を対象として数値解析を行い,その音響伝搬特性について検討した。検討に際して,GIS上に配置された3Dモデル情報を数値解析に取り込むシステムを開発し,種々の現実的な条件に対して検討を可能とした。 ・実用的な予測モデルの検討として,アメダスの気象データを用いた予測手法について検討した。アメダスデータ(10分平均値)を用いる場合,1データが示す10分間の代表値に対して,その間の気象条件を正規分布の仮定に基づき伝搬予測モデルに組み込むことで,より精度が高い予測が行えることを実測との比較で確認した。設定する正規分布のパラメータについては,文献調査および気象観測データを整理することで知見を得た。 3 予測結果表示システムに関する検討 ・GISの一種と考えられるgoogle earth/map上に予測点の騒音レベルに対応した色づけを行うことで騒音マップを作成した。また,受音点での予測結果をDA変換することで視聴を可能とした。
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