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本研究課題への取り組みに先行して平成20年度に実施したアンケート調査の結果等の、給食部の機能の現況と建築・設備の現況に関するデータの分析を行い、栄養部の機能と建築の関係については、栄養部の機能が変容しているにも関わらず、それに相応する建築計画は大きく変化していない様子を明らかにした。また厨房の機能についても、新調理システムを導入している事例を中心に検討したが、システムの運用に必要な建築・設備の整備は、従来のものに加えて実施するに止まり、システムへの相応の為の根本的な変容はみられないことを把握した。
これらの状況を受けて、当初計画より前倒して新調理システムを導入した2ヶ所の病院事例に対して現地観察調査及びヒヤリング調査を実施し、特に調理室での給食調理業務の実施状況や調理用設備の整備・利用状況の詳細を把握すると共に、新調理システムの運用や建築・設備の利用上の課題について情報を収集し、これを取りまとめた。
以上の結果、新調理システムに相応した厨房を中心とした給食部の建築計画の理論の体系化はあまり進んでいないことが明らかとなり、本研究課題に取り組む意義や重要性が改めて確認できた。
また上記に平行して、給食調理及び建築人間工学に関する関連図書・資料を参照すると共に、病院供給部の建築計画及び建築人間工学分野の研究者、給食調理業務の経験がある管理栄養士、厨房機器メーカー担当者等からの知見や情報を収集し、厨房での給食調理業務、特に新調理システム導入時の機能性に関する評価方法について検討を行い、その原案を取りまとめた。
なお、以上の研究成果の一部は、平成21年度の日本建築学会大会及び日本医療福祉設備学会で公表すると共に、平成22年度の日本建築学会大会等で公表すべく準備を行った。
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