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2009 年度 実績報告書

ソリッドアトマイズ法による形状記憶合金微粒子分散スマート構造材料の作製

研究課題

研究課題/領域番号 21760548
研究機関東北大学

研究代表者

山本 篤史郎  東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40334049)

キーワード強加工 / 形状記憶合金 / アルミニウム合金 / スマート材料 / 微粒子分散 / 局所的溶解 / ソリッドアトマイズ
研究概要

融点がそれほど高くないAl中に50μm程度のTiNi形状記憶合金粉末を分散させたインゴットを作製し,ハンマーによる鍛造や圧延によって強加工を施した.本研究では当初,Al中に形状記憶合金微粒子が分散することを期待していたが,予想に反して全く別のナノ粒子が高い密度で析出した.元々TiNi粉末中に約50at.%も含まれていたTiはこのナノ析出粒子中にはほとんど含まれておらず,代わりにハンマーや圧延のローラーからFeが混入していることが明らかになった.走査電子顕微鏡ならびに透過電子顕微鏡観察により,このナノ析出粒子がAl_9FeNiであることを突き止めた.この相はAl-Fe-Ni三元系状態図によると,750℃でも安定に存在し得る金属間化合物相である.また,その組織はAlとAl_9FeNi相からなる共晶組織に極めて類似しており,強加工の最中に何らかの原因で局所的に温度が上昇し溶解したと考えられる.
従来,結晶粒微細化に次いでアルミニウム合金の高強度化に用いられる手法は時効析出による強化法である.しかしながら,時効熱処理によって生じるナノ析出相は試料温度が時効温度に近づくと粗大化あるいは分解するため,アルミニウム合金の機械的特性は耐熱性に限界がある.従って,本研究で用いるソリッドアトマイズ法により作製されるナノ粒子分散Al材は従来のアルミニウム合金よりも耐熱クリープ特性が向上すると期待される.
今後,ナノ粒子が形成されたメカニズムを解明し,本研究で見出した現象がAlとTiNi粉末に固有か,あるいは,他の合金系へも応用が可能であるかを見極める.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Measurement of crystallization temperature of Pd-based amorphous alloy thin film by energy dispersive X-ray reflectometry2009

    • 著者名/発表者名
      T.Yamamoto, et al.
    • 雑誌名

      Transactions of the Materials Research Society of Japan 34

      ページ: 627-629

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystallization Behavior and Structural Stability of Zr50Cu40Al10 Bulk Metallic Glass2009

    • 著者名/発表者名
      張碩, et al.
    • 雑誌名

      Materials Transactions 50

      ページ: 1340-1345

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phase transition in Ti_<50>Ni_<44>Fe_6 studied by x-ray fluorescence holography2009

    • 著者名/発表者名
      W.Hu, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review B 80

      ページ: 060202(1-4)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ni-Rich Bulk Metallic Glasses with High Glass-Forming Ability and Good Metallic Properties2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Zeng, et al.
    • 雑誌名

      Materials Transactions 50

      ページ: 2441-2445

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高速加熱によるZr_<50>Cu_<40>Al_<10>金属ガラスの結晶化2009

    • 著者名/発表者名
      張碩, 他
    • 雑誌名

      材料 58

      ページ: 205-208

    • 査読あり
  • [学会発表] 新規な強加工-ソリッドアトマイズ法-によるナノ粒子分散Al材作製2010

    • 著者名/発表者名
      山本篤史郎, 木村久道, 井上明久
    • 学会等名
      日本金属学会2010年春期(第146回)大会
    • 発表場所
      筑波大学筑波キャンパス
    • 年月日
      2010-03-29
  • [学会発表] 急速加熱・冷却によりZr基金属ガラス中に析出するB2相とC11_b相の格子定数2009

    • 著者名/発表者名
      山本篤史郎, 横山嘉彦, 市坪哲, 木村久道, 松原英一郎, 井上明久
    • 学会等名
      日本金属学会2009年秋期(第145回)大会
    • 発表場所
      京都大学吉田キャンパス
    • 年月日
      2009-09-16
  • [学会発表] X線反射率によるPd基アモルファス合金薄膜の結晶化温度測定2009

    • 著者名/発表者名
      山本篤史郎, 林好一, 鈴木宏輔, 伊藤正久, 木村久道, 井上明久
    • 学会等名
      埋もれた界面のX線・中性子解析に関するワークショップ2009
    • 発表場所
      筑波大学東京キャンパス
    • 年月日
      2009-07-13

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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