研究概要 |
航空機エンジンの低圧タービン翼材料としての応用をめざし、熱力学的平衡相を用いるEQコーティング技術を利用して、高強度耐熱Ti-Al合金の耐酸化コーティング材探索を行った。 γ-TiAlは低比重であり高温での強度や耐クリープ特性が高いことから、先進ガスタービンやジェットエンジンの構造材料として期待されている。しかしこの材料は耐酸化性がやや劣ることから、使用温度は約750℃以下となると考えられている。本研究では耐酸化コーティングを施すことによってこの問題の解決を試みる。高強度Ti-Al-X(X=Cr,Nb,Ta,B,etc.)の耐酸化性を評価し、EQコーティングの理論を用いてコーティング材の探索を行う。Ti-Al合金を構成し得る元素を含む三元系に着目し、基材となる合金組成との熱力学的平衡と優れた耐酸化性を持つコーティング組成を探索する。 昨年度から引き続き、代表的なTi-Al系合金であるTi-48Al二元系合金、Ti-52Al-2Ag三元系合金、及び合金K55(Ti-46.2Al-2Cr-3Nb-0.2W)の耐酸化特性を、自動炉床昇降電気炉を用いた750℃大気中での繰り返し酸化試験により評価を行っている。また酸化膜の構造を断面観察により解析している。 遮熱コーティングに関する国際会議Thermal Barrier Coatings IIIに参加し、これまでの研究成果について発表すると共に、情報交換を行った。
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